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タクシーの進化を起点に、オンデマンドモビリティのさらなる発展を。GO事業本部が目指す未来。

Mobility Technologies(MoT)のタクシーの配車関連事業を担うGO事業本部では、2020年9月に新たなタクシーアプリ『GO』をリリース。11月には『GO』において、「希望日時配車」機能サービスの提供を開始し、AIによるマッチングで効率的な配車を実現しています。

「私たちが取り組んでいるのは、数年で解決するような短期的な話ではありません。10年・20年かけて、モビリティのキープレイヤーとして、交通・社会課題の解決を目指していきます」と、本部長の江川は語ります。GO事業本部が目指す未来について、聞きました。

早く乗れる体験から一歩先。条件や希望に合わせて乗れる体験を

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――まず、MoTにおけるGO事業本部の役割について教えてください。
Mobility Technologies(MoT)は、タクシー産業の課題解決を起点に、集中渋滞・交通事故・車いす利用者など交通弱者の増加、都市化/過疎化といった交通・社会課題の解決を目指している企業です。その中において、GO事業本部は、配車含めタクシー産業に関連する事業全般を扱う部門になります。

私たちは、日本のモビリティをさらに発展させていく上で、オンデマンドモビリティであるタクシーが欠かせない存在であると考えています。ですからGO事業本部ではタクシー事業者の方々と連携・協力し、ユーザーが「乗りたいときに乗れる」「早く乗れる」体験の追求を目指しているところです。

――その具体的な例の一つが、タクシーアプリ『GO』でしょうか。
ええ、そうです。タクシーアプリ『GO』は2020年9月よりスタートしています。タクシー車両とリアルタイムに位置情報を連携し、高度な配車ロジックによってユーザーとタクシー車両のマッチング精度を高めることに成功しています。これまで以上に、ユーザーが「乗りたいときに乗れる」体験を提供できるようになり、現在は次のステップに向けて動いている段階です。

――次のステップというのは?
私たちはオンデマンドモビリティをさらに発展させていくにあたり、大きく3つのステップを描いています。ステップ1では、先ほどお伝えした「乗りたいときに、必ず乗れる」体験です。タクシーがなかなかつかまらない、乗りたいのに乗れない…といった状況をゼロにしていきたいと考えています。

ステップ2は、ユーザーの「条件や希望に合わせて乗れる体験」です。ユーザーの希望というのはそれぞれ異なっていて、特定の日時を指定して乗りたいという方もいらっしゃれば、特に安全な運転をする車両に乗りたい方もいらっしゃいます。それぞれのユーザーの希望や条件に合わせて、乗車できる状況を作りたいと考えているんです。ここに関しては、2020年11月から「希望日時配車」機能という形で提供しています。

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――結果はどうだったのでしょう?
非常に順調で、都内のテスト期間中においては“100%の注文成立”という結果を出しています。新しいロジックにより、これまでの10倍以上の注文件数を処理することが可能になりました。

タクシーをご利用になりたいお客様にとっては、通常のタクシー注文と同じ感覚で、ストレスなく配車サービスを使っていただけるようになったと思います。まだ東京・神奈川エリアでの対応ですので、今後さらなる拡大を目指していきたいと考えています。

――順調に進んでいる印象を受けましたが、一方で、コロナの影響はどうでしょう。どのように捉えていますか?
タクシー業界全体の需要という意味では、これまでの7割ぐらいでしょうか。ですが、その中でもビジネスチャンスにつながるような動きがあったのも事実です。たとえば、アプリの利用率。お客様にタクシーアプリが浸透しただけでなく、タクシー会社においても変化が大きくあったんです。

これまでですと経験豊富なタクシードライバーはアプリに頼らず売上を立てることができていましたが、街に人が減ってしまった状況において、アプリは非常に強い武器になりました。効率的に売上が稼げるツールという認識に変わったんです。私たちも、お客様の利用データを分析し、タクシー会社に共有しています。コロナの影響を受けながらも、新しい方法でビジネスを広げられていると捉えています。

モビリティのキープレイヤーとして、交通・社会課題を解決

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――ステップ1・2と進み、最終的にはどのようなことを目指しているのでしょうか。
ステップ3では、渋滞・交通事故・都市化/過疎化といったような交通・社会課題の解決に向けて、モビリティサービスを提供していきたいと思っています。特に過疎地における交通事情は大きな課題だと感じていますね。公共交通が充実していない地域においては、住民それぞれが運転することを前提に暮らしが成り立っていて、同時に高齢化が進んでいますから。

私の実家の話になるのですが、毎年人口が減っていくような田舎で、過疎化が進んでおり、まさに同じ状況が起きています。本音をいえば歳を取った父親の運転を見ていると危なっかしく感じることもありますし、運転をしないようにと言わないといけない日も近いのかな、と。でも、そこには解決しないといけない大きな問題があります。車で移動しなければ、買い物にも、病院にも行けませんし、友人と交流することもできないんですから。

――まさに社会課題ですね。たとえば、どのような解決策がありますか?
一つは“自動運転”です。こちらについては、2020年11月に自動運転タクシーの実証実験を実施しました。自動運転システムを導入したタクシー専用車両の実用性、出発地・目的地を設定した最適ルート判別機能の有能性などを検証した段階です。

まだまだ取り組み中ではありますが、完全に実現できれば問題は大きく解決の方向へと進むと思います。私たちが目指しているのは、“移動で人を幸せに”すること。制限されることなく自由に移動できる社会を実現することで、多くの人が豊かな人生を歩むことができるのではないか、と思っていますね。

――なるほど。世の中に大きなインパクトを与える取り組みに携われることは、ここで働く醍醐味にもなりそうです。
ええ、それはあると思います。日本で新しいモビリティサービスを形にしていこうとなったとき、規模・技術という意味でも、間違いなくMoTが第一想起される“キープレイヤー”になると思っています。

理由はいくつかありますが、一つはタクシー配車領域における圧倒的なネットワーク数です。日本の法人・個人タクシーのうち半数がMoTの提携車両で、約10万台にものぼります。他には、モビリティ領域出身で多くの経験を積んできたエンジニアや、さまざまな業界からAI人材が集結していること。高い技術力が集まった組織を作ることができていると考えています。

そして、そこに圧倒的な強みがあることが通信やモビリティ領域での名だたる企業の皆様から認めていただけることにつながっていて、私たちも支援を受け事業や技術開発に取り組めているのだと思います。

10年・20年かけて向き合うビジネス。他ではできない経験

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――江川さんは、統合以前も『旧DeNAオートモーティブ』にて、モビリティ領域に関わってきたとのことですが、この領域に携わるきっかけは何だったのでしょう。
一言でいうと、「日本において輸出できる産業をつくりたいから」です。少し大きな話になってしまいますが、世界から選ばれる日本の産業を形にしたいと考えたのが、この領域に携わることにしたきっかけです。

――もう少し具体的にお聞きしてもよいですか。
この仕事に携わる前、20代から30代の前半まではWebサービスの企画開発に携わっていて、新規事業の立ち上げとして1~2年でサービスを作り上げて完結していくような仕事が多かったんです。新しいWebサービスを企画し、開発し、世に送り出していく…そんな流れを4周・5周と繰り返す中で、それなりに形になるけれどGoogleやFacebookなどの海外のWebサービスには、短期的には国内に最適化したサービス開発で対抗できるものの、中長期では投資余力の差で太刀打ちできないという壁にぶつかりました。それはIT産業全体に言える現状で、純粋に悔しく感じていたんですよね。

そんな中、プライベートでは娘が産まれ、改めて自分の仕事を考え直すことにしたんです。私たちは、世界に誇れる産業を作ることはできないのか、本当に難しいことなのか。一方で、過去には車をはじめとする製造業で世界NO.1と言われた誇るべき実績がある。他国を圧倒する工業技術があります。そんな中、徐々にWebサービスも、それまでのWebの世界で完結するサービスから、既存の産業や、物理的な”モノ”が存在するサービスとの連携を前提とする「○○×テック」が流行りつつあり、そこに可能性を感じたんです。

――“○○×テック”とはどういうことでしょう。
例えば、「オートテック」や「フィンテック」のことです。既存の基幹産業にテクノロジーが掛け合わされることにより、これまでだと実現しえなかった大きなイノベーションが起きる領域だと思っています。

また、もう1点、特徴があると思っており、既存の産業や物理的な”モノ”と連携することが前提になるため、ローカライズのハードルがこれまでのWebサービスと比べ圧倒的に高くなります。そのわかりやすい例として、配車サービス領域においても、これまでのWebサービスにおけるGoogleやFacebookのようにグローバルのデファクトとなるサービスは存在せず、各国、各地域ごとに強いサービスが異なっています。

そこに、既存産業において強みを持つ日本ならではの強みを発揮していく可能性を感じたんです。私の使命といったら大げさかもしれないけれど、子供たちが生きる未来の日本に何かを残さないといけない。30代・40代の私たち世代が担う責任のように感じています。

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――とても壮大ですね。今取り組まれていることは、10年・20年かけて向き合うビジネスということでしょうか。
ええ、そう思います。数年といった短期間で解決できるような規模の課題ではありません。でも、だからこそ、大きなやりがいがあるのだと思っています。いってみるなら、日本の未来を変えていく仕事だと思っています。そして、その中心で事業を作っていくことは他では経験できないことだと感じていますね。

――MoTで活躍できる人も、そういうマインドを持った方になりますか?
それはあります。MoTが掲げている“移動で人を幸せに。”という考え方に共感してくださる方を仲間としてお迎えしたいですね。
というのも、自分の仕事が、10年・20年先の未来につながっていることをしっかり理解していなければ、日々の業務に対して、厳しく感じてしまうことも多くあると思うんです。私たちの仕事は、既存の産業に入っていって、新しい価値や新しい考え方を共感してもらって広げていくものです。当初は、パートナー様から理解されないことや、新しいサービスには障害やトラブルが付き物で、それらの対応に追われることに終始しがちとなるので、私たちが創りたい世界は何なのかを忘れずに、情熱を持ち、積極的にチャレンジしてくださる方にお会いできたら嬉しいです。

 ※掲載内容は2020年12月時点の情報です。

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