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タクシー車両が持つ膨大なデータから、新たなビジネスを生み出す。「次世代事業本部」の取り組み

MoTには、「次世代事業本部」という部署があります。その名の通り、MoTの次の世代を担う新事業を生み出していく部署です。モビリティ事業のさらなる発展を目指し、どのような事業の“タネ”が生み出されているのでしょう。

新しいビジネスであるため全てをお見せすることはできませんが…できる限りお伝えしていきたい。今回は、取締役 兼 次世代事業本部の本部長・佐藤に詳しく話を聞いてきました。

24時間365日走るタクシー車両から取れるデータが、大きな価値を持つ

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ーー早速ですが、「次世代事業本部」について教えてください。

次世代事業本部では、現在、データビジネスに関する事業、フードデリバリーに関する事業、自動運転に関する事業、タクシー車内広告に関する事業、タクシー乗務員の採用等の新規事業など5つの事業を行っています。

――5つもの事業があるんですね。具体的にどのようなことを行なっているんですか?

たとえば、データビジネスに関する事業。社内では、KUUプロジェクトと言って、タクシー車両が得る映像データを機械学習により自動でデータ化し、新たな価値創出につなげる研究開発を行なっています。

いま動いているものとしては、地図を通じて位置情報ソリューションの提供を行なう株式会社ゼンリンと協力し、「道路情報の差分」を自動で抽出する共同開発に着手しています。

――「道路情報の差分」というのは?

地図情報において、高鮮度な状態を提供し続けるというのは、実はとても難しいことなんですよね。日本中、常にどこかで新たに道路が建設されていますし、交通標識や路面のペイントなども、日々変化しています。

――確かに。地図のメンテナンスが大変になりますね。

そうなんです。
けれど、日々運行を行なうタクシーやトラックなどに設置されたドライブレコーダーから映像を取得し、その道路差分を抽出。地図情報を効率よくメンテナンスすることで、現実世界との違いが少ない高鮮度の地図情報を提供することが可能になるんです。

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――なるほど。地図が正確であることは、便利なだけでなく、安心・安全な交通社会につながっていくわけですね。

おっしゃる通りです。
もう一つ、いま実証実験等により事業化検討を行っている自動運転タクシーに関する事業についてもお話させて下さい。先日も西新宿における自動運転タクシーに関する実証実験を実施しました。

――自動運転というとまだ先のイメージがありましたが、既に実証が行われているのですね。

はい、現在人間が運転しているのと全く同じように全ての場所時間で自動運転が可能になるのはまだ少し先です。

ただ環境が整備された国道などの限られた場所、好天時に限るなど限られた時間で自動運転車両が走り回るようになるのはそれほど先ではありません。実際、閉ざされた空間であったり補助ドライバーがつくなどの方法であれば既に自動運転車両を走行させることは可能になってきています。

ただしMoTが取り組むのは自動運転車両の開発ではなく、自動運転車両を用いたサービスの開発です。自動運転車両が走り回るようになったとしてもそれだけでは直ぐにサービスが提供できる訳ではありません。

これまで乗務員さんが提供してくれてきた日本のタクシーの安心安全な移動を、自動運転となった際に、どのように落とし込んでいけるか検討が必要となります。MoTとしては将来のサービス提供に向けて様々なソリューションの開発に取り組んでいます。

キッカケは祖父。移動のサービス化を目指して

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――佐藤さんが“モビリティ領域”に興味を持たれたキッカケについて教えてください。

原体験でお話すると、祖父が腰を悪くして思うように動けなくなっていく中で感じたことが大きいですね。

何かというと、祖父がどうしても伊勢神宮に参拝したいと言ったので、大きな車を借りて、家族みんなで伊勢に行ったことがあったんです。駐車場までは無事に辿り着きましたけど、問題はそこからでした。

――問題…どのようなことが?

当時の祖父は長時間歩くのは難しかったので、車いすを借りて移動することにしたんですが、人も多いし、段差だらけだし、石につまづくし…で、車いすを押している方もなかなか大変で。

祖父は何も言わなかったですが、実は心から楽しめなかったのではないか…とずっと申し訳ないような、心残りのような、そんな気持ちを抱いていたんですよね。

――目的地までの最後の区間について“ラストワンマイル”と呼ばれますが、改めてそのことについて考えられたと。

そうです。その問題を解決したいと思い、私はそこから次世代型電動車椅子を開発している企業に入りました。ここで開発された“自動運転付きパーソナルモビリティ”は空港や病院、美術館などで導入されていて、たとえば空港であれば、搭乗ゲートやその付近まで自動運転で移動することができます。

ラストワンマイルまでの移動サービスを提供すべく、事業部長プロダクトマネージャーとして日々奮闘をしていましたね。

――そこから、MoTに転職されたのはどうしてですか。

当時は、“歩行領域における移動手段”という点だけで考えていましたが、これからの世の中においては、“車の領域における移動のサービス化”という観点が求められていると思ったからです。

祖父母の状況も変わり、今度は車を運転することが困難な状況になったとき、歩行領域の話では解決しない壁にぶつかりました。車の領域、つまり移動距離の長い公共交通機関にも課題を強く感じましたし、お客さんからのニーズに対して“ものづくり”だけで応えていくことの限界を感じたというのも本音のところです。

移動のサービスという観点で、日本が抱える交通課題を解決していかなければ、と思ったんです。その上で、MaaSの分野において中核とも言える企業に身を置き、移動で人を幸せにしたいと本気で考え、旧JapanTaxiに転職することを決めました。

“日本”という国の交通課題を背負う存在に

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――MoTで交通課題の解決に向き合う中で、やりがいや手応えを感じるときについて教えてください。

やはりタクシー事業者の方々から喜びの声をもらえたときです。それは、どれだけ経験を積んだとしても、役職が上がったとしても、変わらない部分です。コロナ禍においても売上が維持できた、効率よくお客様を乗せることができた…そんな声をもらえたときに、やりがいや手応えを感じますね。

MoTは現場をとても大切にしていますから、事業所に訪問して話を聞いたり、一緒にミーティングを行なうこともとても多いんです。何度も話をすることで、課題が見つかったり、新たな事業につながるヒントをもらえたり…リアルな現場情報を手にできるのは嬉しいですね。

もう一つ、膨大なデジタルデータが即時に手に入ることも魅力です。全国のタクシー車両が得る走行データもそうですが、他でも何か新たなキャンペーンを実施した場合、翌日には仮説検証することができます。成功に向けた事業判断をスピーディに行なえるのも面白さだと思います。

――現場のリアルな声とデジタルデータの両方を大事にすることで、次なる事業を生み出しているんですね。最後に、今後佐藤さんが目指していきたいことを聞かせてください。

オンデマンドモビリティであるタクシーの進化を起点に、モビリティサービスをさらに発展させていくことです。まずは2020年9月にリリースしたタクシーアプリ『GO』をしっかり定着させ、その先に地方が抱える課題をMaaSを使って解決していきたいと考えています。

向き合うのは、渋滞、交通事故、満員電車など日本の交通問題に関することですから、決して簡単ではありません。2年・3年といったスパンでゴールが見える事業ではないんです。とても大きな話で難しい挑戦です。

現実的なところでいえば、さまざまなサービス展開は都市部からのスタートになるでしょう。そういう意味では、地方にお住まいの方には最初がっかりされるかもしれませんね。

でも、私はある地域だけを見ているのではなく、“日本”という国の交通を見てます。地方が抱える交通課題も含めて、解決していきたいと思っています。

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※掲載内容は2021年3月時点の情報です。

次世代事業本部で、一緒に働く仲間を募集中です。興味がある方はぜひお気軽にご連絡ください。

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